「行政ムラの掟」と法治〜宿泊施設の法規を中心に〜

平成30(2018)年6月15日に、新旅館業法と住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行し、特区民泊と出揃いました。行政機関(主に厚労省・保健所)の法令解釈・通知・要領・指導などの運用「行政ムラの掟」と法律・政省令・条例・規則の「法の支配、法律による行政」への想いを綴るブログ。東京都中野区で、行政書士おかべを営む。

東京都23区で、住宅宿泊事業者(民泊)の届出書類の違いが出るもの

届出書類は、「法令で定まっているもの」と「受付する自治体で定まっているもの」がある。

 

東京都23区の場合、23区でほぼほぼ同じものとそれぞれの区ごとに違うものがある。

なお、23区でほぼほぼ同じでも、他の都道府県などと比べると違うものもある。

 

今回は、それぞれの区ごとに違うものを述べる。

大きく分けると次のもの

  1. 安全措置に関する書類
  2. 廃棄物の処理に関する書類
  3. 周辺住民への事前周知に関するもの

はじめに、安全措置に関する書類。

こちらの内容自体は、法令で定まっているので、区ごとの違いはない。

それの書類が区ごとに違う。

下記がその例

葛飾区:作成すれば添付

北区:平面図に記載すれば、省略可能

港区:国土交通省の手引き様式を使用

新宿区、渋谷区:23区で使われている6ページにわたる書類(建築士の署名欄がある)

世田谷区:23区で使われている6ページにわたる書類(建築士の署名欄がある)さらに、建築士の証明書のコピーを添付

豊島区:豊島区が作成した1ページの独自様式

 

特に、豊島区の場合、項目に「避難経路図の表示」が盛り込まれている。

これは、法令にもある措置である。

他の区は、安全措置のうち、「非常用照明器具の設置方法及び火災その他の災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置を定める件(平成29年国土交通省告示第1109号)」に関しての書類になっている。

いずれにしろ内容自体は、法令に基づいており、上乗せの内容は、ない。

 

次に、「廃棄物の処理に関する書類」これは、大きく分けると3つに分類される。

  1. 適正処理で、届出書類にはない
  2. 清掃事務所などへの事前相談が必要で、受付印が必要な書類が届出書類の添付書類
  3. それ以外の対応(例、渋谷区:事前周知の配布分に記載、豊島区:自己申告書類)

 

最後に、「周辺住民への事前周知に関するもの」です。

こちらは、23区は事前周知は必要なもののその根拠や届出書類は様々なバリエーションがあります。

大きく分けると、根拠が「条例にあるもの」と「行政指導にあるもの」に分かれます。

届出書類も、事前周知を行った報告書、配布文書、地図の3点をどこまで提出するかで違いが出ます。

その配布範囲、配布文書に記載する事項も、区ごとに違います。

さらに、届出日に対して、事前周知を実施する期間の制約も変わってきます。

これらを、適切に行わないと、届出後に再度の配布が必要になったり、届出書類の確認に時間を要することになります。